PS5の性能表の内容をやさしく解説 CPU、GPU編

PS5情報

2020年末に発売予定の次世代ゲーム機PlayStation5(PS5)のスペック(性能)表について、私なりにかみ砕いてやさしく解説していきます。第1回の映像出力編、第2回のオーディオ、SSD・メモリ編に続き第3回はCPU、GPU編です。以下は第1回、第2回のリンク。

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PS5の性能表の内容をやさしく解説 オーディオ、SSD・メモリ編
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PS5の頭脳、CPU性能について

PS5の頭脳ともいえるCPUのスペック表には、x86-64-AMD Ryzen™ “Zen 2”、8コア / 16 スレッド、周波数:最大 3.5GHz まで可変と記載されています。CPU、GPU編を最後に持ってきた理由がこれで、コンピューターに詳しくない方にとっては、スペック表に記載されている内容は非常に分かりづらいと思います。

あまり深堀すると何ページあっても足りませんので、スペック表に書いている内容が何なのか、なんとなく理解できるレベルには解説出来ればと思います。

x86-64-AMD Ryzen™ “Zen 2”とは何のこと

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x86-64-AMD Ryzen™ “Zen 2”の部分でまず「えっ?」となるかもしれませんが、ひとつずつ分解してみていきましょう。

x86-64は86系と呼ばれるマイクロプロセッサのことで、1980年頃からずっと続く命令セットアーキテクチャ(論理的構造)です。64は86系の64ビット(bit)プロセッサという意味です。64ビットプロセッサでは2の64乗の情報を一度に処理できます。

少し脱線しますが、スマートフォンなどモバイル機器にはARMが設計するARM系プロセッサが採用されています。86系に劇的な変化が無ければ、今後PCやゲーム機もARM系に取りこまれるような気がします。ニンテンドースイッチのCPUはARM系です。

話しを戻して、次の「AMD Ryzen™ “Zen 2”」についてですが、AMD Ryzen™はCPUのブランド名です。AMDというメーカーのRyzenというCPUです。CPUといえばIntel(インテル)が有名ですが、据え置きゲーム機に関してはAMDが独占状態です。Ryzenの右側に小さくTMと記載していますが、これはTrademark(商標)の略です。スペック表は性能に関することを記載しますが、AMD Ryzenは商品名ですからTMと記載しています。

スペック表として重要なのはその後ろ「“Zen 2”」の部分です。AMDの開発コードネームと言えば分かりやすいかもしれません。CPUのアーキテクチャ(論理的構造)は進化していますから、そのCPUがどういった性能を備えているのか、コードネームを見ればある程度理解出来ます。Zen2アーキテクチャはAMDの最新アーキテクチャになります。どのような性能か書くとかなりマニアックな内容になりますので割愛しますが、PS5にとって重要なのは7nmプロセスルールに最適化されているという点でしょうか。

CPUのナノメートルプロセスルール

CPUの性能を向上していくと、どんどんCPUのサイズが大きくなっていきます。CPUのサイズが大きくなると消費する電力も大きくなります。

そのため、CPU内の配線を細かくして、CPUの性能が向上してもCPUのサイズが大きくならないような工夫がされています。PS5で採用されるCPUは7nmプロセスルールのものになります。7nmプロセスルールで製造されたCPUは配線の幅が7nmということです。現行PS4のCPUは2013年発売時が28nmで、2016年のスリム型発売時に16nmに改良されました。次世代機PS5が7nmですから技術の進化スピードはスゴイですね。

8コア/16スレッドについて

PS5の中を見るとCPU(実際はAPUで後ほど説明)はひとつしかありませんが、CPUのスペックに8コアとあれば、実際にはその中に8個の頭脳が入っています。昔のCPUは頭脳がひとつ1コアでしたが、1コアでは性能向上に限界が来たため、今のCPUは複数(マルチ)コアが主流です。

スレッドとはthread of execution(実行の脈絡)を省略したもので、これはイメージすることが難しいのですが、プログラム処理の実行単位と考えれば比較的分かりやすいでしょう。16スレッドということは16の実行単位を同時に処理できるということです。

周波数はCPUの性能を表すが勘違いしやすい項目

最後に「周波数:最大 3.5GHz まで可変」の部分です。周波数と書かれていますが、クロック周波数といった方が正しいかもしれません。1秒間に信号を何回発生するかを示しています。最大3.5GHzですと1秒間に最大35億回になります。

このクロック周波数について勘違いされるポイントとして、スペック表のCPU項目のクロック周波数だけを見てCPU性能を判断してはいけないということです。これまでアーキテクチャやコア数、スレッド数など説明しましたが、これらが異なると同じクロック周波数でもCPUが処理できる量は変わります。全く同じZen2アーキテクチャ同士でしたら、クロック周波数で性能の良し悪しをある程度判断可能ですが、たとえばARM系と86系ではクロック周波数で性能比較することは全く無意味です。これはスペック表を見る時に注意すべき点です。

最後に「可変」の部分についてですが、PS5は動作中の電力を最適化するため、CPUとGPUのクロック周波数を動的に可変させる仕組みになっています。そのためスペック表にも可変と記載されています。ずっと全力で動作する必要はないので、その場面に応じてうまく制御するということでしょう。

PS5のGPUはモンスター級

PS5のスペック表にはAMD Radeon™ RDNA 2-based graphics engine、レイトレーシング アクセラレーション、周波数:最大 2.23GHz まで可変(10.3 TFLOPS)と記載されています。CPU編を見た方はこのスペック表も大体理解できるのではないでしょうか。

PS5のGPUは2020年末に発売するゲーム機としては、破格の高性能となっています。

GPUはPS5のもう一つの頭脳と言っても過言ではないです。グラフィック処理全般を行うのがGPUです。最近のゲームはCPUとGPUの両方が無いと動作しません。

RDNA 2-based graphics engine レイトレーシングアクセラレーション

CPUのスペック同様、このRDNA 2-based graphics engineはAMDの開発コードネームで、RDNAアーキテクチャと呼んでいます。PS5に採用されるRDNA 2アーキテクチャの最大の特徴は、ハードウェアレイトレーシングに対応する点です。

レイトレーシングは今後のゲームグラフィックにとって非常に重要な技術で、PS4とPS5の明確な違いが感じられるのは、このレイトレーシングによる映像の進化ではないでしょうか。以下のデモが非常に分かりやすいです。

これまでのゲーム機でも光と影の変化は表現されてきました。しかし、これまでのゲーム機の性能では、光の動きにあわせて起こる変化をリアルタイムに計算して処理することが難しかったため、プレイヤーが違和感を感じにくいよう、疑似的にグラフィック処理をしていました。それがPS5ではGPUでリアルタイムに処理が可能となり、映像の違和感が無くなります。

一度この映像を体験すると、いままでのゲーム機の映像に違和感を感じるのではないでしょうか。

GPUの性能を表すFLOPS(フロップス)

GPUスペック表の後半部分、周波数:最大 2.23GHz まで可変(10.3 TFLOPS)について、周波数の部分はCPUと同様ですが、その後ろに10.3TFLOPS(テラフロップス)と表記があります。最近のGPUのグラフィック性能を表す際によく使われます。

浮動小数点演算は科学計算などに向く計算法ですが、コンピューターグラフィックの世界でも浮動小数点演算性能が高い方が有利ということから、GPUの性能を表す指標としてFLOPSが使われます。FLOPSは1秒間に実行できる浮動小数点演算数となります。

現行のPS4のGPUは1.84TFLOPSです。

CPUとGPUの性能を正確に知る手段

すでにここまで読まれた方は分かると思いますが、CPUとGPUの性能を正確に知る手段は非常に難しいです。アーキテクチャによる違いや、PS5の場合は周波数可変となるため制御の仕方でも性能は変わります。CPUやGPUでどういった処理を行うのかでも性能は変わります。

例えばPCとゲーム機でスペック上は全く同性能であった場合、ゲームをプレイする性能だけを考えればゲーム機の方が高性能となります。それはPCはゲームに関する処理以外にも、いろいろな事にCPUやGPUを使っているためです。それにPS5は前回紹介したオーディオ処理専用の「Tempest 3D Audio Engine」を搭載しており、100GFLOPSで動作します。性能を知るには機器全体の構成で考える必要があります。

そこで性能を知る手段としてベンチマークが用いられます。ゲーム機にはベンチマークソフトが存在しないため、正確に性能を知る事は難しいですが、PCはベンチマークソフトをインストールして実行できますから、ある特定の用途に対してどれぐらいの性能があるのかを正確に知る事が出来ます。PC購入時の判断材料となりますので覚えておいてください。

CPUとGPUをワンチップに集約したAPU

これまでCPUとGPUについて解説しましたが、PS5にはこれらがAPUという1チップに集約されて搭載されます。APUは「accelerated processing unit」の略で、CPU、GPU、その周辺回路をワンチップに収めたもので、AMDがこう呼んでいます。INTELもCPUにGPU機能を統合した製品はありますがAPUとは呼びません。

ゲーム機をより省電力で高性能にするためには、搭載するチップ数を減らすことが先決ですから、CPUとGPUをAMDに統一しワンチップ化することは非常に有効です。2020年末の次世代ゲーム機のライバル、Xbox SeriesXもAMDのAPUを搭載します。

今回のCPU、GPU編かなり長くなりましたが、これでもCPUとCPUについて触りの部分のみの説明となります。PS5の性能をやさしく解説するは今回第3回で最終とします。ゲーム機のテクノロジーについて興味を持たれた方は、いろいろな記事を巡ってみるといろいろな情報が知る事が出来て楽しいです。また、過去のゲーム機のスペックなども一通り確認すると、ゲーム機の進化の速さに驚くと思います。

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